あらすじ
「あかりが残した一番大切な宝物だから、守りたいの」
――大人になれない母の親友と、背伸びした私の、凸凹な暮らしが始まる。
シングルマザーだった母・あかりを病気で亡くした小学5年生の花咲希穂(きほ)。
母の闘病中から生活を支えてくれていたのは、近所に住む母の親友・佐伯千夏(ちなつ)だった。
家事は壊滅的で、料理をすれば焦がし、すぐに大騒ぎする千夏。しっかり者の希穂が逆に世話を焼くような毎日だったが、それでも千夏は不器用なりに希穂の日常を必死に守り続けてくれていた。
母の四十九日が明けた日、千夏は自身のアパートを完全に引き払い、大量の荷物を抱えて希穂の部屋へと引っ越してくる。
母の遺言状により、希穂の保護者(監護者)に指定されていたのだ。
「なぜ赤の他人の私にそこまで尽くすのか」と反発する希穂に対し、千夏は胸の痛みを隠すように少し傷ついた笑顔を浮かべ、「あかりの宝物を守りたいから」と告げる。
大人のくせに泣き虫で、どこか深い傷を抱えた「母の親友」と、母を失い心を閉ざしかけていた娘。
二人のぎこちなくも騒がしい共同生活が、手探りの中で幕を開ける――。