あらすじ
「返品するなら、箱いるよね」
事故で死んだ二十八歳の会社員・佐倉直人が目を覚ますと、中古の家事ロボットになっていた。
丸い胴体、短い腕。お値段一万九千八百円、保証は三か月。
箱を開けたのは、五年間応援してきた推し、朝比奈小春だった。
憧れの人との同居に浮かれる直人だったが、彼女の部屋は散らかり放題。寝起きは悪いし、ロボット相手だと思って距離も近すぎる。
着替えに慌て、下着の洗濯に固まり、怪しい挙動は「処理時間です」でごまかす毎日。
そんな小春は、グループの解散後、もう一度自分の歌を届けようとしていた。
家事を任された「まる」は、配信の助手としてダンジョンの見学区域にまで同行することに。
ただの便利な家電のはずなのに。
名前を呼べばすぐに振り向く。帰宅を待って玄関にいる。歌い終わると、小さな手で拍手する。
「まるって、本当は感情あるでしょ?」
推しに正体は明かせない。
でも、好きな気持ちは、どうしても隠しきれない。
下心も秘密も抱えた中古ロボットと、家では無防備な元アイドルの、笑って少し胸が熱くなる同居ラブコメ。