あらすじ
孤児院育ちの平民リリアは、ある日突然、強大な治癒の力を持つ聖女として覚醒した。
王立学院へ編入した彼女を待っていたのは、王太子アルベルト、宰相子息セドリック、騎士団長子息ラインハルト――学院で《華の御三家》と呼ばれる、誰もが憧れる青年たち。
身分の違うリリアにも優しく接してくれる彼らに支えられながら、彼女は聖女としての日々を送っていた。
しかし魔王軍の侵攻が始まり、学生までもが戦場へ動員されるようになる。
治癒の力を求められ、王太子預かりの部隊で戦場を駆け回るリリア。
そんな彼女へ、ことあるごとに突っかかってくる男がいた。
「おい平民、下がっていろ!」
「訓練もままならない平民が、戦場をうろつくな!」
「愚図が!」
子爵家三男、ルキウス・モブリウス。
口は悪い。態度も悪い。王太子に注意されれば素直に頭を下げる。
どう考えても、嫌味な小物貴族です。
けれど戦場で、リリアを狙った凶刃の前へ彼が飛び出した時。
彼女は初めて、「平民」という言葉に込められていた本当の意味を知ることになる。
聖女だから大切にしてくれる王子様たちと、
平民だからこそ戦わせたくない、不器用なモブ貴族。
これは、聖女になった少女が、誰よりも分かりにくい男の本心に触れるまでの物語。