あらすじ
十二歳で乙女ゲームの世界に転生してから五年。
元の世界へ帰る方法は、きっとゲームをクリアすること。
そう信じたハナことハイレーナは、攻略対象たちとの関係を築き、ついに第二王子ウイレムから婚約を申し込まれる。
攻略対象は全員無事。闇落ちもなし。
完璧なエンディングを迎えた。
――これで帰れる。
そう思って眠りについたのに、翌朝目を覚ましても、彼女はハイレーナのままだった。
帰れない。
しかもゲームはもう終わっている。
これからどうすればいいのか、誰も教えてくれない。
五年間、「帰ること」だけを目標に生きてきたハナは、初めてこの世界で生きる自分自身と向き合い始める。
幼いハイレーナを残して研究に没頭していた父。
亡くなった母。
自分の中に残る、ハイレーナの記憶。
そして、ゲームを攻略するためにしか見てこなかった人々と、その向こうに広がっていた世界。
学院を卒業したら、私は何をして生きていく?
やがて王立図書館で「ウォード」と呼ばれる不思議な結晶の研究に触れた彼女は、知ること、考えること、そして自分の手でものを作ることの面白さを知っていく。
誰かに選ばれるために生きるのではなく、自分が何者になるのかを、自分で選ぶために。
これは乙女ゲームのエンディングから始まる、一人の少女の成長と、研究者として歩き出すまでの物語。
※本作は、以前公開していた『私、乙女ゲームのヒロインでした』を全面的に改稿した改訂版です。