あらすじ
「二度と俺の前に、その地味なツラを見せるな」
王太子に投げつけられた財布は、額に痣を残した。中身の金貨三枚は、半年後、卒業パーティーを見下ろす特等席に化けた。
今夜、あの男が婚約者の公爵令嬢を断罪するらしい。 手にはキャラメルポップコーンと冷えたシャンパン。もう顔色をうかがう必要もない。今日は思いきり笑って帰るつもりだ。
ところが、隣に座った見知らぬ美形と、妙に話が弾んでしまう。
「次に振り向いたら踏みますね」 「踏むな」
見ているのは、王太子の長すぎるマント。 悪口には付き合うくせに、私がされたことを話すと、この人は笑わない。
……困った。断罪劇を見に来たのに、隣の人の顔まで気になってきた。