あらすじ
「この子なら、よく働きます。泣き声も出しません」
叔父が連れてきた、鎖をつけられた七歳の少年。
その手首の傷を見た瞬間、伯爵令嬢アデルは前世を思い出した。
ここは、かつて読んだ小説『暁の聖冠』の世界。
自分は半年後に断罪される悪役令嬢。
そして目の前のフィンは、十二年後に国を滅ぼす魔王だった。
破滅を避けるため、まず鎖を外した。
けれど、パンを隠して眠り、好きな葉を選ぶにも迷う少年を見ているうちに、アデルの目的は変わっていく。
この子に必要なのは、魔王にならないための命令ではなく、明日も座れる食卓だった。
魔術教師エルンスト、遠慮のない学校の友だち、二本の尾を持つ白い狐。
一つずつ増える暮らしの中で、少年は自分の好きなものを見つけ始める。
一方、原作では奇跡とされていた聖冠と、叔父の孤児院には、見過ごされてきた秘密があった。
原作を知っていても、育児は初めて。
未来を変えたい令嬢が、子どもと、仲間と、自分の幸せを選び直す異世界転生ファンタジー。
全24話完結。家族、もふもふ、成人同士の恋愛とハッピーエンド。