あらすじ

「――俺以外の男に、そんな顔して笑うなよ」 そう言った蓮の顔を見て、私は初めて思った。 ……幼馴染の蓮って、こんな顔するんだ。 ずっと一緒だった。 家も近くて、家族同士も仲が良くて、幼稚園の頃から毎日のように隣にいた。 だから私は、蓮のことを誰よりもよく知っているつもりだった。 無口で、意地悪で、素直じゃなくて。 でも、困ったときは必ず助けてくれる。 そんな蓮との関係を、私はずっと「幼馴染」だと思っていた。 ――高校1年の春までは。 同じ高校に進学して、変わらない毎日を送っていたある日。 私のクラスに、明るく人懐っこい転校生・悠真がやってくる。 「俺、この子のこと気になってるかも」 そんな悠真の言葉に、私は何も気づかず笑っていた。 けれど。 その光景を見ていた蓮は、明らかに機嫌が悪かった。 「……好きにすれば」 「怒ってる?」 「別に」 「じゃあ、なんでそんな顔してるの?」 「お前が鈍いだけ」 今まで何を言っても余裕だった蓮が、少しずつ変わっていく。 他の男子と話せば不機嫌になり、 誰かに誘われればさりげなく邪魔をして、 困っていれば誰より先に助けてくれる。 なのに、絶対に「嫉妬してる」とは認めない。 一方の私は、そんな蓮の態度に戸惑いながら、少しずつ気づき始める。 いつも隣にいるだけだったはずなのに。 名前を呼ばれるだけで、胸が騒ぐ。 目が合うだけで、なぜか恥ずかしい。 他の女の子と話していると、今度は私のほうが落ち着かなくなる。 ――もしかして私。 「……蓮のこと、好きなの?」 これは、 「幼馴染だから」という言葉に隠れていた二人の想いが、 嫉妬とすれ違いを繰り返しながら、 少しずつ「恋」に変わっていく物語。 近すぎる二人が、 一番遠回りをして、互いの気持ちに気づくまで。 「早く付き合え」と言いたくなるほど焦れったい、幼馴染青春ラブストーリー。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
小説を読もう
小説を読もう2026/10/05
  • 現在の作品幼馴染のくせに、俺を嫉妬させるな