あらすじ
小学校最後の夏休み、あともう数日を残すのみとなった夕暮れ。「潤、どうせ夏休みの宿題やってないでしょ?」少し呆れた顔をして彼女が差し出してきたのは、几帳面な文字でびっしりと埋め尽くされた夏休みのドリル。そしてその上には、丁寧に折り畳まれた小さな紙包み。
「おばあちゃん家に行ってきたから、その時のお土産」
それだけを言い残し、彼女は夕暮れの光の中に溶け込んでいくかのように小走りで去っていった。それが、二人の最後の会話になるとも知らずに。
手元に残されたのは、自分のドリルと、返す相手を失ったドリル。奇妙な形のキーホルダー。
――小学校のあの夏から始まる、四年越しの、切なくも温かい再生のラブストーリー。