あらすじ

海辺の公文書館で、館長・榊が施錠された収蔵室から遺体で発見される。死亡推定時刻の二十一時六分、館内には四人の容疑者がいたが、全員が別々の場所にいたことを示す監視映像と入退館記録が残っていた。しかも全員が、榊から届いた音声メッセージを聞いている。犯人は存在しないように見えた。白瀬灯子は、四人の証言が妙に滑らかであることに違和感を抱く。自動文字起こしされた記録を原音と照合すると、全員の証言に同じ十一秒の「空白」があった。その瞬間、古い防火扉が閉まり、館内放送が流れ、可動式書架が一斉に移動していたのだ。犯人は書架の死角を使い、遺体と凶器を入れ替え、四人に“見たはずのない出来事”を見たと思い込ませていた。だが終盤、灯子はさらに一段深い矛盾を突く。榊は二十一時六分より前に、すでに死んでいた。十一秒間の殺人は、犯行時刻を作るための偽装だった。そして偽装を指示したのは、榊を殺した人物ではなく、榊自身の過去を隠したかった別の人物だった。

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小説を読もう2026/10/05
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