あらすじ
若きエリート刑事・神宮寺(じんぐうじ)は、連続密室殺人事件の捜査に行き詰まり、特異な能力を持つ少女・御園雫の元を訪れる。
被害者の残留思念を感じ取り、あまりの痛みに泣き崩れる雫。神宮寺は傷つく彼女を必死に守りながら、彼女が涙ながらに語る「ビジョン」をヒントに、次々と事件のピースを埋めていく。
「見立て殺人」「鉄壁のアリバイ」「不可能状況の密室」。
犯人は警察を嘲笑うかのように、美しくも残酷な謎を提示し続ける。神宮寺は、身を削って霊視を行う雫のためにも、絶対に犯人を捕まえると誓う。
しかし、最終章。全ての謎が繋がり、神宮寺が犯人を追い詰めたと思ったその瞬間――物語は反転する。
雫が流していた涙は嘘だった。
彼女は最初から全てのトリックを見抜いていた。それどころか、犯人が用意した「完璧な密室」をただ暴くのではつまらないと、あえて泳がせ、犯人が最も自信を持っていた「論理の城」が完成するのを待っていたのだ。
「ああ、つまらない。――あなたの作った密室、穴だらけですよ?」
儚げな巫女の仮面を脱ぎ捨て、冷酷な笑みを浮かべる雫。
同情と庇護欲を逆手に取った前代未聞の「悪女探偵」による、圧倒的カタルシスと論理の蹂躙が幕を開ける。