あらすじ
自傷でしか強くなれない少女は、今日も命を賭けてダンジョンに潜る。
自らのHPを消費しない限り、一切のダメージを与えられない――そんな欠陥だらけの唯一スキル「自傷ダメージ」を授かった朝露凜。5年前のスタンピードで目覚めたこの力は、喜びも束の間、絶望的な代償を伴うものだった。
それでも凜は諦めない。スライム一匹すら己の血で贖わなければ倒せない。それでも、いつか大切な人たちと守り合える日常を――そして戦わなくていい、穏やかなスローライフを送るために、彼女は今日も一人、ポーションと引き換えに命を刻んでダンジョンへ潜る。
積み重ねた瀕死の果てに芽生えたのは、絶望ではなく新たな唯一スキル。そして幼馴染との再会が、彼女の孤独な戦いを変えていく――。
これは、自らを傷つけることでしか前に進めなかった一人の少女が、痛みの数だけ強くなり、やがて誰かと共に歩む道を選ぶまでの物語。