あらすじ
「荷物を運ぶだけの奴は、もう要らない」
隊長に命綱を切られ、迷宮の底へ落とされたノア。
前世は日本の配送員。転生後に授かった〈収納〉も、八枠、八十キロの小さな力だった。
暗い通路で彼を助けたのは、歯のある宝箱――ミミック。
人を食べず、錆びた鍵を好むその箱を、ノアはカランと名づけた。
荷物には入らない。売り物にもならない。
一緒に地上へ帰る、最初の相棒だ。
箱に導かれて見つけたのは、迷宮に取り残された品を守る〈帰還庫〉。
片方の靴、古い手紙、娘の名が彫られた腕輪。
八枚の扉札は、訪れた場所と広間をつなぐ。
けれど扉を開くたび、カランの力は減っていく。
槍使いのセナ、古い文字を読むトーリと、ノアは忘れ物を返す仕事を始める。
待ち続けた家族へ。もう戻らない誰かの代わりに。
やがて迷宮で起きた事故が、元の隊と、新しい仲間を同じ危機へ巻き込んでいく。
人を収納することはできない。
だから、帰る道を残す。
捨てられた荷物持ちと宝箱が、誰も置いていかない相棒になる、異世界転生の冒険譚。
全24話完結。仲間との成長、恋愛、ハッピーエンド。