あらすじ
「荷物は三つまで。今夜、ここを出よう」
家族に尽くしても、出来損ないと呼ばれる令嬢。
働いても自由になれない職人。娘を守るため、逃げることを選んだ母親。
王都の夜逃げ屋ミレイユは、そんな人々を、回収車や空樽に隠して運び出す。
剣の腕も、貴族の後ろ盾もない。頼るのは下調べと段取り、そして本人の「出たい」という意思だけ。
彼女が最初に逃がした令嬢の屋敷では、翌朝、誰も帳簿の続きが分からなくなっていた。
ところが、彼女の仕事に目をつけたのは、堅物の逃亡者追跡官カイン。
逃がす女と、追う男。相容れないはずの二人は、逃げた人を再び売り物にする仕組みに気づき、手を組むことになる。
捕まえるために伸びた手が、いつしか、帰りを待つ手に変わっていく。
それでも彼女は、誰かのものになるために生き方を変えたりしない。
これは、逃げた先の仕事も居場所も、自分で選び直す物語。
腕の立つ夜逃げ屋と不器用な追跡官の、お仕事と救出劇、ゆっくり育つ恋。
全50話・完結まで執筆済み。ハッピーエンドです。