あらすじ
東京で働くデザイナー・知里悠楓、28歳。仕事に疲れ切り、一ヶ月の休暇を取って向かった先は、幼い頃を過ごした北海道・層雲峡だった。
宿のロビーに飾られた、名前のない青いガラス。その色に胸が鳴ったまま、悠楓は、見ないようにしてきた工房の前に立つ。そこにいたのは、五年前、「ちゃんと続けようね」と約束したまま、一度も別れを告げられなかった幼馴染のガラス作家、旭川冬吏だった。
この土地の水でしか出せない青のために、層雲峡を離れられなかった冬吏。夢を追って上京し、「来て」と言えなかった悠楓。どちらも相手のためを思って黙り、気づけば五年が過ぎていた。
みぞれの夜、吹雪の工房、渡せなかった青。終わらせなかった恋は、ここから、どんな続きを選ぶのか。
※約330字。長さを調整したい場合は、最後の段落を削ると、約250字になります。