あらすじ
社内のVPNに、深夜、見慣れないIPアドレスからのログインがあった。
疑われたのは、名ばかりの情シス担当・小林。パスワードの使い回しも発覚し、外部からの不正アクセス——社内では、誰もがそう思い込んでいた。
けれど、提案SEの汐谷圭悟だけは、そのログに小さな違和感を覚えていた。綺麗に整いすぎている、と。
同期を信じたい気持ちと、拭えない違和感の間で、圭悟は静かに調べ始める。記録の奥に隠された、綺麗すぎる噓を暴くために。
前作「なりすましの記録」の主人公が、別の事件に挑む単独の物語。等身大の技術ミステリー、全12話。
## 登場人物
**汐谷 圭悟(しおたに けいご)/29歳**
本作の主人公。中小SIer勤務の提案SE。「僕」の一人称で語る。会社では目立たない存在だが、裏ではCTFやバグバウンティで実力を磨いてきた。社内の情シス業務も、実質的に一人で兼務している。
**小林 誠(こばやし まこと)/29歳**
圭悟の同期入社。名目上の情報システム担当。人当たりが良く社内の人気者だが、実務には少々難あり。深夜の不審なログインの疑いをかけられ、孤立を深めていく。