あらすじ

大正十年、春。浅草の路地裏に佇む香水店「白梅香房(しらうめこうぼう)」の看板娘・藤香世(ふじ かよ)は、どんな匂いも嗅ぎ分けられる天才的な鼻を持っていた。しかし、愛想はなく、口は辛辣で興味があるのは香料のことだけ。 そんな香世の前に現れたのは、白銀の髪に青い瞳を持つ、九条侯爵家の三男・九条清澄(くじょうきよと)。誰もが振り返る美貌の放蕩者なのだが、会うたびに違う香水をまとう彼だけは、何故か本物の香りが漂ってこない。不思議に思うも、残り香ひとつで人の素性も嘘も、事件の真相までも見抜いてしまう香世は、清澄が持ち込む怪事件にそっけなく挑んでいく。 毒を隠す重ね香、銀座の偽香水、名もなき恋文。そして事件の陰にちらつく謎の調香師「夜鳴」と、五年前に姿を消した母の香水「白梅」の香り━︎━︎━︎━︎ 。 匂いで心を読む娘と、香水で素顔を隠す男。 大正浅草を舞台に贈る、香りの謎解きとじれじれの恋の物語。

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カクヨム
カクヨム2026/10/04
  • 現在の作品白梅の香読み事件帖