あらすじ

会社を辞めたい。 でも普通の退職届では、なんか負けた気がする。 そこで佐々木亮、38歳。 退職届の代わりに、 「三途の川・片道乗船券」 を提出した。 完璧だった。 発行元――地蔵菩薩。 乗船者――佐々木亮。 六文銭――各自ご用意ください。 どうだ。 これなら会社も察するだろう。 俺はもう限界だ。 ところが総務の佐藤さん。 乗船券を眺めて一言。 「……半券がありません」 そっち? そこなの? 「いや、これギャグなんですけど」 「総務にギャグという項目はありません」 知らんがな。 しかも受理された。 火曜日、身体が透明になる。 水曜日、給湯室から三途の川が湧く。 木曜日、オフィスが河原になる。 金曜日、17時。 船が来る。 佐藤さんは最後まで冷静だった。 「有給は二十三日ありますので、あの世で消化してください」 知らんがな。 あの世の福利厚生どうなってんだ。 そして最終的に、 配属先――株式会社・佐々木家 所属――父親 役職――終身 と書かれた紙を渡される。 ……おい。 俺は何を辞めたんだ。 会社か? 人生か? それとも―― 家に帰ることを、忘れていただけなのか。 知らん。 とりあえず総務が強すぎる。 笑ってくれ。 そのあと、ちょっとだけ胸を痛めろ。 シクヨロメカドック。 うおーーーーー。

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エブリスタ
エブリスタ2026/10/04
  • 現在の作品退職届の代わりに三途の川の乗船券を提出したら、総務が普通に受理した