あらすじ
久しぶりに帰ってきた故郷は、あの頃とほとんど変わっていなかった。
駅まで続く一本道も。
見上げた空も。
あの人がいないこと以外は。
大切な人を失い、逃げるように故郷を離れた僕は、数年ぶりにこの街へ戻ってきた。
そして、小さなスマホ修理店を始める。
壊れた画面。消えてしまった写真。届かなかったメッセージ。
店を訪れる人たちが持ち込むのは、壊れたスマホだけではなかった。
時には、説明のつかない出来事とともに、誰かが置いていった想いに触れることもあった。
そんな人たちと出会いながら、僕自身もまた、ずっと目を逸らしていた過去と向き合っていく。
これは、初恋を忘れる物語ではない。
もう一度、この世界の色を見つけていく物語。