あらすじ
フォロワー50万人を誇るトップインフルエンサー・神崎リナ。
彼女のSNSの更新が突如として途絶え、1ヶ月の空白が経過した。
ある夜、暴露系配信者の無責任なデマを起爆剤として、ネット上では「彼女は何者かに殺された」という憶測が爆発的に拡散する。
トレンドのトップを「#RIP神崎リナ」が埋め尽くし、元恋人の木島が殺人犯として特定され、顔のない群衆たちによる凄惨なネット私刑が幕を開けた。
フリーの調査ライターである朝倉恒一は、この異常な狂騒を冷ややかに見つめていた。
そんな彼には、過去にアクセス数稼ぎの悪意ある記事で無実の人間を「社会的死」に追い込み、自殺させてしまったという決して消えないトラウマがあった。
大衆が分かりやすい悪役を求めて暴走する光景に、過去の罪をフラッシュバックさせる朝倉。
だが、そんな彼の裏アカウント宛に突如「見てる?」という不気味なメッセージが届く。
送信時刻は「午前2時17分」――それは、神崎リナが1ヶ月前に残した最後の投稿と1分違わず一致する時刻だった。
背後に何者かの意図を感じ取った朝倉は、真実を暴くため独自の調査を開始する。
しかし、決定的な証拠がなく事件性を否定して沈黙する警察やマスコミとは裏腹に、大企業のスポンサーは事前の取り決めがあったかのように異常な早さで彼女の広告を削除し、彼女の自宅マンションからも生活の痕跡が完璧に消し去られていた。
さらに、彼女の担当マネージャーであった高橋も、失踪とタイミングを合わせるように事務所を退職し、不審な動きを見せている。
何者かが意図的に情報を操作し、大衆の熱狂を利用して神崎リナの「死」という完璧なシナリオを作り上げているのではないか?
彼女は本当に事件に巻き込まれたのか、それとも――。
ネットが作り出す「虚像」と、泥臭い「現実」の境界線で、朝倉は自身が過去に犯した罪と向き合いながら、情報の海に隠された狂気の計画へと迫っていく。
果たして、すべてを繋ぐ「十七分」という数字に隠された意味とは?
SNS時代の「情報の暴力性」と、人間の「存在」とは何かを強烈に問いかける、息もつかせぬサスペンス・人間ドラマ。