あらすじ
「くそっ・・・奴らめ。いずれは殺す・・・殺す、殺す、殺す、殺す、殺す・・・」
牢の薄闇に、シズクの低い唸りが反響する。
父・マキビ参議はあらぬ疑いをかけられ無情にも処刑された。
そして親族である私もまた、同じ罪でこの檻に投げ込まれている。
胸を焦がすのは怒り。瞳に灯るのは復讐の炎だ。
囚われの身であっても、それは変わらない。
彼女が秘める仙術の力の前では、鉄格子も紙切れ同然・・・
静かに、しかし確実に、復讐の幕が上がる。
「いずれはね・・必ず、マツウラ外記にキリヤ左衛門尉!」
時は慶応四年。明治維新の嵐が吹き荒れる中、幕府の閣僚たちは追われ、月面に築かれた五稜郭へと逃れた。
そこを最後の決戦場とするのだ!
だが、そんな戦火の最中でさえ、幕府内部の派閥争いは収まらない。
やがて一人の姫の怨念が、内紛の裂け目から復讐の物語を紡ぎ始める。