あらすじ
魔王が討たれ、長い戦争が終わった。
勇者と共に魔王を討った剣士レオンは、《剣聖》と呼ばれた世界最高峰の剣士だった。
だが彼が望んだのは、名誉でも地位でもない。
――もう、戦わずに生きること。
英雄としての名を捨てたレオンは、人里離れた辺境に小さな家を建て、畑を耕しながら静かに暮らしていた。
そんなある日、森の中で銀白色の髪をした記憶喪失の少女・リゼを見つける。
行くあてのない彼女を家に迎えたことで、レオンの孤独だった生活は少しずつ変わっていく。
一緒に畑を耕し、料理を作り、同じ食卓を囲む。
そして獣人、ドワーフ、エルフ、魔族――様々な事情を抱えた者たちも、いつしか二人の周りに集まり始める。
しかしレオンはまだ知らない。
静かな暮らしを求めて選んだこの土地に、世界を揺るがす秘密が眠っていることを。
そしてリゼとの出会いが、終わったはずの魔王戦争の真実へとつながっていることを。
これは、世界を救った最強の剣士がもう一度世界を救う物語――ではない。
戦うことしか知らなかった一人の男が、大切な人と、帰る場所と、自分自身の人生を取り戻していく物語。