あらすじ
「料理人のような女を、妻にはできない」
婚約破棄されたソフィアの手には、その夜も鍋つかみがあった。
前世は日本の給食調理師。二度目の人生でも、作ることが好きだった。
料理帳と母の小鍋を持って家を出た彼女が見つけたのは、呪われた公爵邸の求人票。
そこには、こう書かれていた。
――作る人も、食事を取れること。
眠れず、食事も取れない公爵レオナルドに出したのは、白かぶと月麦の小さなスープ。
三口で終わるはずの椀に、彼は「もう一口」を望んだ。
温かな夜食と、焼きりんごをねだる小さな白い竜。
薬師や料理長と協力して、少しずつ食べられるものを増やす日々。
「何でもいい」と答えていた公爵は、やがて自分の好みを選び始める。
そしてソフィアにも、何が好きなのかを聞いてくれるようになった。
一方、元婚約者の家では、ソフィアの名前を無断で使った菓子が売り出されていた。
その材料の異変と、公爵の胸に光る銀の傷。
小さな竜の歌に導かれ、ソフィアは、眠れない理由へ近づいていく――。
仕事も、恋も、自分の食卓も取り戻す、料理と竜の異世界恋愛。
全24話完結、ハッピーエンド。