あらすじ
公爵令嬢クラリッサには、誰にも習っていないのに知っていることがあった。
石鹸のこと。仕事のこと。この世界にはない、便利な道具のこと。
好奇心のままに周囲を振り回す彼女が、王立学園で出会ったのは、雑貨屋の娘エレナ。国の宝とされる、希少な契約魔法の使い手だった。
侍女との賑やかな毎日、負けず嫌いの令嬢との張り合い、王太子との不器用なやり取り。
けれど、当たり前に続くと思っていた日々は、父にかけられた疑惑によって大きく変わってしまう。
父の名誉を取り戻したい。
そのために人を動かすにも、遠くへ便りを届けるにも、お金が要る。
思い出した前世の知識を頼りに、クラリッサは自分たちの暮らしを立て直そうと動き始める。
欲しい道具を職人と作り、試して、失敗して、売り方を考える。知っているはずの便利さも、この世界で形にするのは簡単ではない。
仲間と育てる商売と、父の足跡を追う歩み。
その先に待っていたのは、貴族や商人、国々の思惑が絡み合う、契約魔法の秘密だった。
少女たちの出会いから、王国を支える魔法の真実へ。
ものづくりと商い、友情と恋が織りなす異世界ファンタジー。