あらすじ
小学五年生のナラカは、朝が苦手なねぼすけ。
毎朝「起きて」と起こしてくれるのは、同じ家で暮らす無口な女の子・リアだ。やさしいお母さんと三人、プリンをかけてじゃんけんをするような、なんでもない毎日がずっと続いていた。
ある春の朝、ナラカは庭の花壇から、しゃべるぬいぐるみ付きのステッキを掘り起こしてしまう。
「貴様は今この瞬間から、魔法少女なのだ!」
その夜、街に現れた顔のない「人形」に襲われたナラカを救ったのは――青い衣装に身を包んだ、リアだった。
「……なんで、教えてくれなかったの」
「……言えなかった」
リアは、いつから一人で戦っていたのか。
ときどき見せる、遠くの音に耳をすますような表情は何なのか。
そして、人形を街に放つ男がナラカに向ける「完全」という言葉の意味とは。
あたたかい日常の隙間に、少しずつ積もっていく小さな違和感。
それが一枚ずつ剥がれていくとき、ナラカは、いちばん近くにいた女の子が抱えてきたものと向き合うことになる。
少女たちの、ほのぼので、少しだけ痛い魔法少女物語。