あらすじ
かつて陸上自衛隊の観測ヘリ「OH-6D」のパイロットとして、五感で空を駆けていた男。怪我で退官した彼が今操縦するのは、エアコンの効いたコンテナ室から遠隔操作する、風もGも感じられない沿岸監視ドローン――無機質な「機械」だった。
ある日、荒れ狂う日本海で座礁した北朝鮮の木造漁船を発見する。突発的なダウンバーストがプラスチックの機体を襲うなか、男の脳裏に蘇ったのは、かつて相棒と修羅場を潜り抜けた「片足接地」の記憶だった。
カクヨムお題チャレンジ(第1回:機械)応募作。元ヘリパイのプライドが、冷たい樹脂の翼に命を吹き込む、緊迫のスカイ・ショートストーリー。