あらすじ
ルルディア王国のまじゅ姫は、王女らしくじっとしているのが大の苦手。城を抜け出しては町や村を歩き回り、困っている人を見つけると、いつも誰より先に飛び込んでいくおてんばな少女です。
ある朝、王都のパン屋で、焼きたてのパンがなぜか次々と硬くなる騒ぎが起こります。呪いのせいだと町の人々が不安になるなか、まじゅ姫は煙の流れと新しく建てられた石壁に目を留めます。思いついた大胆な仮説を、パン職人、石工、商人、親友のフィンたちと一緒に確かめた結果、原因は魔法ではなく、壁によって変わった風の通り道だと分かりました。
まじゅ姫のひらめきは、いつも答えそのものではありません。けれど、誰かの何気ない言葉や、自然の小さな変化、暮らしの中の工夫を結びつけることで、問題を解く最初の糸口になります。
市場の混雑、川の渡し舟、森の薬草不足、海辺の灯台、読みづらい役所の知らせ――まじゅ姫は王国じゅうの困りごとに向き合いながら、「助ける前に、まず話を聞くこと」「一人の正しさより、皆で確かめること」の大切さを学んでいきます。
やがて彼女は外国にも旅立ち、水をめぐって町同士が対立する砂漠の国、歌で航路を伝える島国、時計のように正確な暮らしを誇る機械都市で、それぞれ違う知恵と課題に出会います。
これは、ひらめきを武器にする姫の冒険譚であると同時に、誰もが困ったときに声を上げ、誰かと一緒に答えを探せる国をつくろうとする、まじゅ姫の成長の物語です。