あらすじ
「無能力者がヒーローになれるなんて、幻想だ」
十歳の僕は、そう思い知らされた。
ダンジョンが出現して二十年。
〈スキル〉を持つ者が当たり前となった世界で、僕――未柴イツキには、何の力もなかった。
無能力者。
無能。
役立たず。
十六年間、ずっとそう言われ続けてきた。
しかも、憧れのヒーロー天才救命士・柴宮ケツイとは正反対。
同じ十六歳なのに、彼はダンジョンで人々を救い続ける「次世代のヒーロー」として、誰もが知る存在になっていた。
それでも僕は、諦めきれなかった。
誰かを助けたい。
ヒーローになりたい。
――そんなくだらない夢を、心の奥底に抱えたまま。
そしてある日。
街にダンジョンモンスターが出現した。
逃げれば助かる。
けれど、目の前には助けを求める少女がいる。
「……僕は、もう逃げない!」
その瞬間。
十六年間、眠り続けていた〈スキル〉が発現する。
【スキル・自己犠牲《セルフサクリファイス》】
無能力者だった少年の人生が、ここから変わる。
落ちこぼれから、最強の救命士へ。
見下される側から、誰もが憧れるヒーローへ。
そして――。
かつて離れ離れになった四人の少年の運命が、再び交差する。
これは、十六年間「無能」と呼ばれ続けた少年が、
最高の救命士へと成り上がり、失ったものを取り戻していく――
ダンジョン×学園×異能バトルの成り上がり英雄譚。