あらすじ
女子高生・賀田了子は、毎晩同じ夢を見る。
薄暗く、静かすぎる部屋。そこで了子は真白い兎になり、ぼそぼそと喋る黒服の男に飼われている。
何度も繰り返すうちに、夢は現実と混ざりそうなほど了子に染みついていく。男は何者なのか。何の仕事をして、何から逃げているのか。
一方、去年のクラスメイトで陸上部の錫木俊矢は、「ガガーリン」「ブリキ」と悪態をつき合う了子を横目に、満たされない毎日の隙間を持て余していた。
名前を訊いた夜から、了子の夢は少しずつ形を変えはじめる。
交互に語られる二人の視点で描く、夢と現実の物語。