あらすじ
二〇〇五年頃、世界中に突如として《ダンジョン》が出現した。
同時に人類には《魔力》が宿り、魔物を倒して魔石や素材を持ち帰る《探索者》という職業が誕生した。
それから約二十年。
埼玉県半納市に暮らす大学生、市河信太には家族に言えない秘密があった。
それは――家族に内緒でダンジョンへ潜り、すでに《Cランク探索者》になっていること。
剣道四段の技量に、独自に鍛えた身体操作と身体強化魔法を組み合わせ、《右片手平突き》と《斬鉄剣》を武器に戦う信太。
そんな彼は探索で稼いだ金でドローンを購入し、軽い気持ちで《シンタ》という名前のダンジョン配信を始める。
しかし本人が「普通のCランク」だと思っている戦い方は、視聴者から見ればまるで普通ではなかった。
「なんでCランクが格上の魔物を瞬殺してるんだ?」
「今の動き、本当に人間か?」
配信は少しずつ話題となり、親友や妹、さらには国内トップクラスのAランク探索者たちまで《シンタ》へ注目し始める。
そしてある日、信太は埼玉県西部の山中で未登録ダンジョンを発見する。
「少しだけ確認してから協会に報告するか」
そんな軽い気持ちで足を踏み入れた場所こそ、後に《天嶽迷宮》と名付けられる――日本初のS級ダンジョンだった。
これは、自分の強さをいまいち理解していない大学生が、家族に正体を隠したままダンジョンへ潜り続け、いつしか世界から注目される探索者になっていく物語。