あらすじ
「父さん、倒産しちゃった」
「だったら何で笑わせようとしたんだよ、バカ親父」
高校二年の秋。父の寒い駄洒落とともに、桐谷晴真の不自由のない暮らしは終わった。
引っ越し、初めてのバイト、外食の値段。
昨日まで気にしなかったことが、いちいち気になる。
それでも、幼馴染で許嫁の久世紗月は、いつもどおり後ろの席にいる。
成績優秀で、ピアノが弾けて、顔もいい。ついでに、晴真への悪口もよく切れる。
けれど、彼女に助けられるたび、隣にいるのが苦しくなった。
そんなとき、紗月の父から持ちかけられたのは。。。
彼女のためだと、自分に言い聞かせた。
肝心の彼女の気持ちは、聞かないまま。
冗談なら、いくらでも言えるのに。
「お金がない」も「一緒にいたい」も、うまく言えない。
これは、親が決めた約束を失った二人が、自分の言葉で向き合うまでの物語。
笑えて、もどかしくて、少し胸が痛い青春ラブコメ。