あらすじ
「ヴィオレッタ。私は、真実の愛を見つけた」
王太子クラウス殿下は、十年来の婚約者ヴィオレッタに婚約解消を告げ、伯爵令嬢フィオナを新しい婚約者に選んだ。
ヴィオレッタ様は、ただ一言、
「承知いたしました」
とだけ答えて広間を去った。
朝食を一緒に。午後はお茶を。週末は観劇と遠乗りを――。
浮かれる殿下に、フィオナお嬢様は手帳を開いて真顔で答える。
「明日は王妃陛下の講義です」
「十五分だけでしたら」
同じ「真実の愛」のはずなのに、どうにも噛み合わない二人。
フィオナの侍女ペトラが見た、真実の愛のその後。