あらすじ
大学2年の俺には、ウェブ小説サイトで連載を続けている従姉がいる。
佳帆姉の作品は『猿人の話』。筆が止まっているのは、「ヒトに似たもの」が出てくるところだという。
「本物の佳帆だと思ってるの」
そんな問いで俺を試すくらい、佳帆姉はその話に入れ込んでいた。
祖母の誕生日も、占い館に付き合わされた午後も、いつもどおりに過ぎていった。
その佳帆姉が、急に亡くなった。心不全と言われ、家族は解剖を断った。通夜は翌週の火曜。
その前の木曜日、俺のスマホに佳帆姉から音声ファイルが届く。予約送信だった。
「ヒトに似たもの。あれ、作り話じゃない」
「8歳のとき、見た」
通夜までの数日で、俺は従姉が書けなかった続きを追いかけはじめる。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。