あらすじ
「願われたとおりにした」――その結果、冬が消えたこともある。
人間の願いを言葉どおりに叶える、言祝ぎの神。その担当になったエリート巫女リゼアの仕事は、願文を精査し、危険な奇跡を実行前に止めること。彼女は優秀だった。他人の願いには、どこまでも慎重だった。ただし、自分の願いは尽きなかった。
空を飛びたい。海の底を見たい。月にだって行ってみたい。
「それ、できるの? ――待って、まず条件を詰めます」
止めるはずの巫女が、誰より神の力を使いたがる。静かな聖堂に事故報告が増える一方、神はいつしか、彼女の次の願いを待つようになる。けれど、どんな願いも叶えられる神には、自分の望みを誰かに願う方法が分からない。
世界を変える神と、願いが尽きない巫女。
有能すぎる二人が互いの望みにだけは戸惑う、少し危険でとても不器用な異世界恋愛。