あらすじ
「私、あなたを殺してやりたい」
「いいよ。――君がどう生きるかは、君の自由だ」
炎上する城の中で、すべてを奪われた十一歳の姫君・咲耶(さくや)。
目の前には、優しかった父親の命を奪った無情な暗殺者・凪(なぎ)が立っていた。
憎むべき宿敵。奪われた平穏。
けれど、殺意を向けられた凪は、ただ静かに咲耶の手を取ったのだった。
――それから、二人の歪んだ旅が始まる。
死に際の領主から邪神『赤竜』の呪いを受け、「人を喰らう不老不死の怪物」へと変貌していく凪。
咲耶は、忍びの仮面の奥に垣間見える凪の孤独と優しさに触れ、引き返せない感情を募らせていく。
殺したいほど憎い。けれど、誰よりも愛おしい。
絆と殺意、そして切ない初恋が交錯する中、二人は呪いを解く術を求めて修羅の道を往く。
これは、一人の少女が、呪いに満ちた初恋を終わらせるまでの物語。