あらすじ
桜刻神社の境内には、一年中満開のまま散ることのない『不変の桜』がある。 そしてそこには、大きな耳と尻尾を生やした自称・巫女――妖怪「こはく」がずっと居座っていた。
「ねえ、遊ぼうか! お揚げちょーだい!」
「……今、忙しいっていったろ」
圧倒的な力を持つくせに、食い意地が張っていて、ちょっと残念。
気軽に人間を神隠しにしたり、「時間を戻す」と言い出して周囲を絶望させたりする彼女を、神主の少年・ゆきとは毎日頭を小突きながらツッコミを入れる。
「気軽に神隠しするんじゃない! 解釈違いだ、いい加減理解しろ!」
「もー! せっかくいいことしたのに!」
喧嘩しつつも、桜の下でお揚げを食べる、穏やかで騒がしい日常。
けれど、彼女には終わりがない。
いつか自分が動かなくなった後も、彼女はきっと、この桜の下で、次の『番人』を待つ――。
ボケとツッコミの果てにある、切なくも愛おしい、人と人外の物語。