あらすじ
牛乳を二人とも買ってしまう。洗濯物の畳み方が違う。そんな小さなすれ違いさえ嬉しい、同棲を始めたばかりの柚瀬早帆、三十六歳と、久良岐佐紀乃、三十九歳。
けれど毎週金曜日、二人の玄関前に、一本の白い花が置かれるようになる。差出人も、メッセージもない。
「この花、昔付き合ってた人が好きだったの」
そう告げた佐紀乃の手は、震えていた。
繰り返される花の贈り物を追ううちに、早帆は恋人が語れずにいた過去を知る。守りたいと願うほど、今度は自分が彼女の自由を狭めてしまいそうで――。
怖さも、嫉妬も、温かな夕食も分け合いながら、二人は自分たちの暮らしを選び直していく。
大人の女性たちの恋と日常を描く、全十二話の恋愛サスペンス百合。