あらすじ

月を信仰し、魔力を「月の祝福」と呼ぶ国、燦月国。 黒い髪は、月に選ばれた者の証とされていた。 秦侯爵家の娘・明凛は、強大な魔力と卓越した武術を持つ17歳。だが父の命令で身分を捨て、「秦明」と名乗って軍へ潜入することになる。 目的は、兵士たちから原因不明に魔力が失われている事件の調査。 その道中で出会った青年・墨雲は、身分を隠し、自由を求めて生きる謎めいた人物だった。明凛は彼の前でだけ、侯爵令嬢としての責任や、黒髪に向けられる畏れから解放されていく。墨雲もまた、彼女の強さの奥にある孤独に惹かれていく。 しかし、二人は互いに決して明かせない秘密を抱えていた。 墨雲の正体は、王太子・清軒。王位を継ぐ者として国を守る責務を負いながら、明凛の前ではただの青年でありたいと願っていた。 一方、明凛の黒髪には、国を揺るがすほどの強大な魔力が宿っていた。彼女自身も知らないその力は、燦月国の禁忌と深く結びついている。 調査の末、兵士たちの魔力減少の裏に、黒髪の血筋から魔力を奪う禁断の儀式「月移しの儀」があることが判明する。さらに、明凛に持ちかけられた婚姻も、彼女を儀式の生贄にするため仕組まれたものだった。 真実を知れば、墨雲は王太子として明凛を裁かなければならない。明凛もまた、彼の正体を知れば、信じていた想いそのものを疑わざるを得ない。 そして満月の婚礼の日、二人は選択を迫られる。 国を守るために愛する相手を犠牲にするのか。それとも、互いの秘密と運命に抗い、燦月国そのものを変えるのか――。

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小説を読もう2026/10/04
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