あらすじ
半年前に恋人と別れてから、思い出の場所を避け続けていた皆月狼菜、27歳。
夜勤明けのある午後、彼女は久しぶりに「喫茶 風の便り」の扉を開く。
変わらないコーヒーの香り。覚えていてくれた店員。少し不慣れな新人スタッフ。
そして偶然現れたのは、昔から何かと世話を焼いてくる幼なじみの壱狼だった。
「別れたやつのために、お前の冬までつまんなくする必要あるか?」
忘れなくてもいい。すぐに立ち直れなくてもいい。
それでも、止まっていた時間を少しだけ動かすことはできる。
十一月の喫茶店を舞台に描く、失恋のその先の、小さな再出発の物語。