あらすじ
世界の中心にある、ノル神殿。
そこには、神が世界を支えるために遣わした「御使い」がいる。
神殿で育った少女ミリヤは、十六歳のある日、その御使いの世話をする役目を与えられる。
しかし、ミリヤには奇妙な秘密があった。
――彼女は、何かを忘れてしまう。
昨日のことも。
自分がいつから神殿にいるのかも。
そして、自分自身の過去さえも。
御使いの住まう「奥寝殿」で働き始めたミリヤは、やがて一つの真実に触れる。
世界を支えている御使いは、ただの人形ではない。
意思があり、苦しみ、そして自由を求めている。
「もう、いやだ」
御使いの記憶に触れた少女は、決断する。
世界がどうなるのかも知らない。
自分が何者なのかも知らない。
それでも、目の前で苦しんでいる誰かを、このまま見過ごすことはできなかった。
そして――少女が御使いを解放した瞬間、世界は崩壊する。
すべてを失った少女は、その後、自らも世界を支える存在として囚われることになる。
それから百年。
白い部屋に閉じ込められ、すべての記憶を失った少女の前に、一人の少年が現れる。
「俺は、リオン」
「俺が君を、助ける。君を解放する」
これは、世界を支える少女と、彼女を解放しようとする少年の物語。
――百年の封印が解かれ、新しい物語が始まる。
『わらう人形』シリーズ外伝。