あらすじ
あれは、細い月が浮かぶ夜。
偶然を装った必然の出会いに、柚月は禁断の恋へと堕ちていく。
柚月一華(ゆづき いちげ)。
彼は、政府転覆を狙った組織「開世隊(かいせいたい)」お抱えの人斬りだった。
紆余曲折を経て、今は中央政府の宰相、雪原麟太郎(ゆきはら りんたろう)の小姓をしている。
開世隊との戦が終わり、平穏な日々が続く中、柚月の中にだんだんと、だが確実に、自覚され大きくなってく、罪の重さ。
「俺は所詮、人斬りだ」
そう思いながら、止められない、椿への思い。
椿もまた、人斬りだった。
それも、柚月を殺そうとしていた人物だというのに。
――好きだ。
いやもう、めっちゃ好き。
好きがだだ洩れている。
椿のほうもまた…。
表向きは雪原の世話係。
忙しい雪原について、ずっと城に泊まり込んでいた。
それが、雪原が「本宅に帰る」と言うので、久しぶりに雪原の別宅に帰ってきた。
柚月が住む邸である。
椿自身気づいてはいないが、足どりが軽い。
椿もまた、柚月に会えるのを楽しみにしていたのだ。
だが、もじもじすれ違う二人。
おまけに、椿と仲良さげに話す男まで現れて⁉
さらに、二人の主人雪原は、柚月を遊郭に連れて行き、自分の馴染みだという遊女、白峯(しらみね)と契りを交わすよう柚月に迫る。
柚月と椿。
二人の恋は、前途多難。
幕が開け、渡りを経て、嵐の合間までの、ほんの隙間の物語。
改訂版。
一つよにさく華となれ。