あらすじ
千年前。
突如暴走した魔物によって滅亡寸前まで追い詰められた人類は、地上へ降り立った四大精霊から「魂の進化」と神聖力を授けられ、魔物を西の大陸へと追いやった。
それから千年――。
アウラ王国の名門公爵家に生まれた少年シリュウには、人間なら誰もが持つはずの神聖力がなかった。
その身に宿していたのは、魔物と同じ「魔力」。
父から忌み嫌われ、兄から虐げられるシリュウを愛したのは、母と、生まれた時から彼の側を離れない三体の微精霊だけだった。
そして七歳。
父に見限られ、西の大陸へ捨てられたシリュウは強大な魔物に襲われ、右腕と右目を失う。
死を覚悟したその時、三体の微精霊を守ろうとしたシリュウから、存在しないはずの莫大な神聖力が覚醒する。
魔力と神聖力。
本来なら決して一つの魂に宿ることのない二つの力。
なぜシリュウだけが、その両方を持つのか。
四大精霊が千年間待ち続けていたものとは何なのか。
やがて二つの相反する力が交わる時――。
父に捨てられた忌み子は、神さえ倒した「魔神」へと至る運命に踏み出していく。