あらすじ
八月だけ、死者が帰ってくる。
この一年に亡くなった人に、一度だけ、ひと月の時間が与えられる世界。
高校二年の高瀬航は、幼なじみの相沢七緒とともに、海辺の町で帰還者を迎えるボランティアに参加する。
担当することになった三人の女性は、未解決の連続殺人事件の被害者だった。
本人に訊けば、事件は解けるはずだった。
けれど、三人とも自分が殺されたときのことを覚えていない。
父の弁当を心配する千尋。
住むはずだった部屋を見に行きたい志保。
母に、今の自分を見てほしい美玖。
用事を手伝い、食卓を囲み、五人で海へ遊びに行く。
そんな日々を重ねながら、航と七緒は、三人が最後に歩いた帰り道をたどっていく。
九月が来るまでに、何を伝え、誰と過ごすのか。
ひと月の暮らしと未解決事件が交わる、海辺の青春ミステリー。