あらすじ
営業帰りの車内で、いつものように上司から詰められていた。
「なんで取れなかったの?」
「俺なら取れてたけどな」
「お前、本当に考えて仕事してる?」
そんな言葉を聞き流しながら運転していた、その時。
対向車線から大型トラックが逆走してきた。
――こんなやつと一緒に死にたくないな。
それが、俺の前世で最後に思ったことだった。
次に目を覚ました時、俺は剣と魔法が存在する異世界で、魔王領にほど近い有力貴族家の長男として生まれていた。
今度こそ、誰にも縛られず自由に生きたい。
そのために幼い頃から剣と魔法を鍛え続ける。
将来は家を出て、冒険者にでもなって気楽に暮らせればいい。
そう思っていた。
だが13歳のある日、魔王による見せしめで幼馴染が殺された。
圧倒的な力で魔族を支配し、人間の命を虫のように扱う魔王。
それでも俺はまだ知らなかった。
その魔王が――
前世で俺を苦しめ続けた、あのパワハラ上司だということを。
これは自由に生きたかった男が、剣と魔法を手に仲間と出会い、やがて前世から続く因縁に決着をつける物語。