あらすじ

小学五年生の幼き日。アキラは晩夏の夕暮れ、開け放たれた窓から差し込む斜陽を浴びながら行水に興じていた。夏の終わりを告げるヒグラシの鳴き声が心地よかった。……その刹那、薄朱に染まった湯気を切り裂く黒い影が、禍々しい羽音とともに飛来したのである。アキラに振り向く間も、躱す余裕も一切与えなかった。奴はアキラの無防備な背に張り付いた。  以来、アキラは自身の半径三メートルという聖域を侵す不浄なる奴らの気配を、その足音を、本能的に察知する能力を得た。  九月季秋、それは台風シーズン。奴らとの死闘の季節である。  今年もついにその日がきた。

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カクヨム
カクヨム2026/10/03
  • 現在の作品季秋 果てなき死闘