あらすじ
静岡県にある、どこにでもありそうな普通の高校。
校舎も、教室も、そこで過ごす生徒たちも、特別なものではない。
ただ、その学校には昔から生徒たちの間で密かに語り継がれている《儀式》があった。
誰が始めたのか。 いつから存在するのか。 何のために行われているのか。
教師に聞いても、詳しいことは教えてもらえない。 卒業生に尋ねても、なぜか話を濁される。
それでも、生徒たちの間では途切れることなく、その話だけが残り続けていた。
ある日、私は友人からその《儀式》の存在を聞かされる。
最初は、よくある学校の怪談だと思っていた。
夜の校舎。 誰も使っていない教室。 昔の卒業生。 そして、学校のどこかに残されているという奇妙な記録。
どれも高校生の間で語られる噂としては、珍しいものではない。
だから、私たちは軽い気持ちで調べ始めた。
古い資料を探し、過去の出来事を知る人に話を聞き、学校に残された噂を一つずつ集めていく。
しかし、調べれば調べるほど、いくつもの噂が同じ場所へと繋がっていることに気づいてしまう。
過去の生徒。 消えた記録。 誰も使わなくなった場所。 そして、《儀式》について語る人たちが共通して口にする、ある言葉。
偶然だと思いたかった。
ただの噂だと思いたかった。
けれど、私たちが知ってしまったことは、簡単に忘れられるようなものではなかった。
これは、静岡県にある、とある高校に伝わる《儀式》について、私たちが調べた記録である。
そして、この記録を最後まで読んだ人が、同じことを考えてくれればいいと思っている。
この学校に伝わる《儀式》は、本当にただの噂だったのか、と。