あらすじ
「命は助ける」と告げた織田の侍に、鋳物師の棟梁・宗次は「不足にございます」と返した。天正の初め、落城を待つ城下の工房で、宗次は夜明けまでに、一枚の請状へ判を押すかどうかを決めなければならない。
それから四百五十年。その工房を祖とする工作機械メーカー・真砂機工は、欧州の同業を買収しようとしていた。会社案内には、初代は十三人の職人を一人も欠かすことなく戦乱から守り抜いた、とある。助言役の外資系投資銀行のM&Aバンカー・黒澤仁は、買収の条件として、社内の誰も口にできなかったことを社長に告げる。
工房を売った男と、会社を買わせる男。二つの取引が、一枚の書付の上で重なる全三話。
書籍『戦国M&A~織田信長を救い、日本を買収する男~』の主人公・黒澤仁が、転生前に手がけた最後の案件を描く前日譚です。
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