あらすじ
迷宮では、人が死ぬと儲かる。
罠で脅かすより、魔物と戦わせるより、死亡報酬は桁違い。だから迷宮主は攻略者を殺す。それが、この世界の常識だった。
潰れかけの迷宮を任されたカイルは、その常識に首をかしげる。
「死んだ客は、二度と来ない」
怖がらせる。悔しがらせる。次なら勝てると思わせる。
そして、必ず生きて帰す。
ところが、最初の救命から収支は赤字。相棒のリックには殺したほうが儲かると説かれ、ようやく現れた大口客は、迷宮の核を壊しに来た凄腕攻略者エレナだった。
「また来るのか」
「次こそ潰すから!」
危険な常連、無茶をする新人、勝手に盛り上がる攻略情報交換所。客が増えれば救命費がかさみ、行列ができれば待ちきれずに帰られる。
そんな中、獲得魔力で順位を競う「迷宮大祭」が始まる。死亡報酬も得点になる競争で、殺さずに稼ぐ迷宮はどこまで通用するのか。
死人より、常連が欲しい。
命を帰して次を売る、死亡ゼロのダンジョン経営、開業!