あらすじ
彼女は、山の気配をまとい、季節の移ろいさえ知らないような顔で笑う。
いつも音もなく俺のそばにいた。近くにいるのに、どこか遠い。まるで人の世とは違う場所から、こちらを眺めているような少女だった。
古い伝承が息づく集落で暮らす青年・光司のもとにあらわれた、どこか浮世離れした雰囲気を纏う少女・みしろ。
二人が過ごす穏やかで少し奇妙な日常の裏側で、山や川の闇からは黒い奇怪な存在——「怪異」たちが静かに集落を侵食し始めていた。
突如として日常を脅かす怪物たちに対し、光司とみしろは重い『鉄道バール』や、集落のほだ場に残された防獣ネットなど、身近な道具を工夫しながら命懸けの抵抗を試みる。
なぜ、この地に怪異が集うのか。
なぜ、みしろは光司の側に寄り添い続けるのか。
そして、光司の曽祖父が過去に侵したとされる過ちと、土地に祀られる「白蛇様」の存在とは——。