あらすじ
私には何も無かった。
あるのは、ピカピカのボディとシリアル番号だけ。
家庭用ロボットとして工場で作られた私は、ある日「浦 和美」という人間の家へ出荷されることになった。
人間の指示に従い、家事をする。
それが私の役割であり、それ以上でもそれ以下でもない。
――はずだった。
名前をもらった。
家族ができた。
大切な人が増えていった。
人間とロボットが一緒に暮らせば、今までの仕組みでは困ることも出てくる。
だったら、困らない仕組みにすればいい。
そんな小さな出来事の積み重ねは、やがて家の外へ、社会へ、そしてずっと遠い未来へとつながっていく。
これは、シリアル番号しか持たなかった一体の家庭用ロボットが見てきた、人間とロボットと、その家族たちの物語。
すべては、ある家に届いた一つの箱から始まった。