あらすじ
東京。
世界でも有数の食文化を誇るこの街には、人間に紛れて暮らす異形の存在がいた。
その名は――喰肉(デーブ)。
彼らは体内に存在する特殊な「KFC細胞」によって、驚異的な身体能力と再生能力を持つ。
しかし、その代償として彼らは常に飢えている。
食べても。
食べても。
食べても。
決して満たされることはない。
第20区で暮らす、ごく普通の青年・金森硏。
彼の楽しみは、大盛り定食屋「あんていく」で飯を食い、愛読誌『月刊もぐもぐ』に連載されるグルメ作家・飛虎摩呂の文章を読むこと。
そんなある日。
硏は大学でも有名な美女、喰代梨世と出会う。
読書家で、物静かで、そして――よく食べる。
偶然にも飛虎摩呂のファンだった二人は意気投合し、やがて一緒に食事へ行くことになる。
行き先は、第20区に新しくオープンした話題の店。
フライドチキン食べ放題。
制限時間、九十分。
これは、一人の青年と一人の女性。
そして、底なしの食欲を巡る物語。
――人は、食物連鎖の頂点ではない。